人間の欲望には限りがない。資源には限りがある。
だからどう分配するか考えないといけない。
バイク屋の前の原付に猫が2匹並んでシートで暇そうにしている。
サラリーマンが棒アイスを食べながら自転車に乗っている、立て続けに2人も。
もう冬だというのに寒くないのだろうか。
何故それほどまでアイスにこだわるのか?
何故自転車に乗りながらなのか?
何故二人なのだろうか?流行ってるのか?そういうムーブメントなのか?
「今年の冬はアイスで糖分補給しながらサイクリングで決まり!」
とかだろうか?
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タケシは寒空の下、コンビニの前で夜空を見上げるふりをしながら、
立ち読みしている男を見張っていた。
タケシはコートの襟を首元に引き寄せながら白い息を吐いた。
本格的に冬が近づき、街行く車も心なしか急いでいるように見える。
寒い、これは、寒い。
タケシはたまらず、店の中へ入った。
「いらしゃーせ」店員は言った。
店の中には週刊漫画雑誌を読む男がいた。名前はトモヒデと言う。
トモヒデは笛を吹く男の漫画を読んでいた。
トモヒデは漫画を読み終えると、アイスのコーナーへ向かった。
タケシは知って得する豆知識とかそういった類の本を読むふりをしながら、
目でトモヒデを追った。この季節にアイスとは珍妙な・・・タケシは思った。
タケシは探偵事務所に勤めている。今年勤め始めたばかりで、右も左もわからないまま
トモヒデを尾行している。通常はこういった場合、二人以上で尾行するのが普通なのだが、
不況の煽りなのか、事務所が価格を下げて、案件を取るという戦略にでた。
その代わり、案件につく人数を極力減らそうというわけだ。
しかしながら、勤め始めたばかりの人員一人で尾行なんてのはちょっと無謀じゃないか?
相変わらずトモヒデはアイスを選んでいる。
よほどやましい事がある人物やどっかのスパイでもない限り、
尾行なんてものは気付かれないものだなとタケシは思った。
依頼人は松風荘(しょうふうそう)というアパートに住むサヨというおばあちゃんだ。
なんでも、サヨさんが育てている盆栽が、たまに荒らされていることがあり
どうも、隣に住むトモヒデが怪しいとのこと。
トモヒデは夜もなんかビンラディンがどうとか叫んだりしているらしい。
とりあえず、探偵事務所より大家に言ったほうがいいのでは?とタケシは思った。
wolud someone be ready?
トモヒデは慎重にラムネ味の棒アイスをセレクトすると、
ロールシャハテストみたいな店員の下へと向かった。
タケシはそそくさとコーラ味の棒アイスを選び出すと
ロールシャハテストみたいな店員というかレジへすり足で進んだ。
トモヒデ或いはタケシもしくはその両方が、清算を済ませコンビニを後にした。
トモヒデはタケシに目もくれずにお気に入りのシクロクロスバイクにまたがると
松風荘に向かって走り出した。
タケシも電柱の影に隠しておいたとっておきのリカンベントに乗り込むと
トモヒデの後を追った。
リカンベントってのは自転車の一種だ、シクロクロスバイクも。
そもそも、帰宅途中を尾行する必要なんてあるのか?とタケシは思った。
でも寒いから動いていたほうがいいな、とタケシは思った。
トモヒデは自転車を漕ぎながらアイスを食べ始めた。
タケシも負けじとアイスを齧り始めた。
目の前の信号が青に変わった。
バイクに乗った男がこちらを物珍しそうに見ている。
その男はスモークのシールドをしていたので、見ているような気がしただけだが・・・。
トモヒデはアイスを食べ終わると両手でハンドルを握り、力強く漕ぎ出し始めた。
タケシは未だアイスを食べ終わらずにフラフラしながらトモヒデを追いかけた。
その頃サヨさんの盆栽をおいている階段状の木の台には白猫と黒猫が
ひらひらと登ったり降りたり、所在無げにしていた。
黒猫が盆栽を倒すと、白猫も黒猫も蜘蛛の子を散らすように逃げ、塀の上から
その様子を伺っていた。
サヨさんが急いで部屋から飛び出すと、畜生マタカと呟いた。
――― 一体誰が?
サヨさんは思い出したように、ボウルに猫の餌を入れると、探偵事務所に電話を掛けた。
トモヒデは坂に差し掛かると、ダンシングをしながら登っていった。
タケシはギヤを軽いものに変えトモヒデを追いかけた、立ち漕ぎできないのこれ。
タケシのクォーツのムーブメントがカチリと時を刻んだ。
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そろそろ決算。そして配当。
使うアテはない。
SECRET: 0
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��もっこす
よかったですね。
焼肉とかどうですか?